器の底の高台は、轆轤で挽いた後から削り出すというお話を前にしましたが、
では、その削った削りかすはどうなるのでしょう?
これは、決してカスではありません(^^)
まずは、こうやって集めて、水を入れてドロドロにします。
ドロドロになったところで、素焼きの鉢に移し替えます。
何日か経つと、水分が乾燥してきて、固まってきます。
そうなると、ちょうどよい硬さになったところを見計らって、
粘土に練り直します。
土玉、2個完成!
そして、また器を作ることができるのです。
エコですね~(*^^)v
でも、一度焼いてしまうと、もう捨てるしかないんです。
それをまた陶器にリサイクルしようと試みている産地もあるようですが、
残念ながら、個人では到底無理ですね。
轆轤で、大きなものを挽いたとき、
すぐに移動すると、形が崩れてしまいます。
挽きたては、水分を多く含んでいてとっても柔らかいですものね。
そんな時に、威力を発揮するのが“ワンタッチ亀板”
まず、このようなアタッチメントを、轆轤に取りつけます。
あとは、この突起にぴったり合う穴が開いた特製亀板をのせるだけ(^^)
特性亀板も売っていますが、陶芸専用品はとにかく高いので、
自分がよく使うサイズに合わせて、特製亀板を作っています。
コンパネをカットして、穴を開けるだけですものね。
これで直径約30センチ。
こっちは直径約45センチ。
この上で、作品を作ります。
例えば、直径40センチほどの大皿を挽いても、
板ごとそっと外して、乾燥させることができます。
なかなかのすぐれものなのです。
こっちは、昔ながらの亀板で、
左が裏面、右が表面↑
裏面に粘土の棒をくっつけて、轆轤に固定して、
同じように使いますが、
いちいち粘土をくっつけて固定するよりは、
やっぱり、ワンタッチ亀板のほうが、断然、効率が良いです。
私も以前は、この昔ながらの亀板を使っていましたが、
ワンタッチ亀板と出会ってからは、
もっぱらこちらばかり使うようになってしまいました。
ワンタッチ亀板を考え出した人は、誰なんだ?
素晴らしい!(^^)
前回、同じ大きさに轆轤で挽くために、
トンボを使うというお話をしましたが、
今回は、
ちょっぴり大きくなってしまった時の秘密兵器をご紹介します。
それは、針(写真左)
挽き始める時に、トンボと針をこんな風にスタンバイします。
この針を、どう使うかというと…
こんな風に右手に針を持って、左手をやさしく添えながら、
切ってのけてしまいたい部分に針を軽く当てます。
轆轤が回っている間に、左手に針が到達したら、
切り取り成功!
切り口に、水で濡らしたなめし皮を当てて、
滑らかにすれば完成です。
簡単そうに見えて、
うまくするには、ちょっぴりコツがいりますが、
とっても便利な秘密兵器です(^^)
といっても、普通の縫い針に柄をつけただけですがね。
知っているようで、きちんとは知らない人が多いこと。
「素焼き」と「焼き締め」の違いもその一つだと思います。
「素焼き」と「焼き締め」の共通点は、釉薬をかけていないこと。
でも、釉薬がかかっていない器を、
全部まとめて「素焼き」というわけではありません。
素焼きの焼成温度は、一般に700~800度程度。
焼き締めだと、1200~1300度ってところでしょうか。
この焼成温度の違いが、実はものすごく大きな違いになります。
素焼きの代表選手はやっぱり、あの基本形のような植木鉢。
と言っても、最近は、
小学校の朝顔も、庭のパンジーもプラスチック製の鉢なので、
若い人はピンと来ないかもしれませんが。。。
素焼きは、水をよく通すので、植木鉢に向いています。
水はけがよくて根腐れしないんですね。
でも、比較的簡単に割れてしまいます。
その点、焼き締めは、
高い温度で焼いているので、丈夫です。
もちろん、焼き締まっているので、素焼きみたいには水も通さず、
食器として使えるわけです。
つまり、素焼きと焼き締めは、性質が全く違うというわけです。
焼き締めで一番連想しやすいのは備前焼でしょうか。
釉薬をかけずに、高温まで焼きます。
釉薬のかかっていない自然な風合いが美しいですね。
ちなみに、ちぇらみか・しげみの器たちは、
一度、素焼きをしてから、釉薬をかけて、本焼きをします。
釉薬がかかっている陶器は、たいていこの工程をたどります。
粘土を乾燥させた状態で、水分を与えると形が崩れてしまいますが、
素焼きをすると、形が崩れなくなり、吸水性が増すので、
器が釉薬をきちんとまとってくれるのです。
昔から何気なくやっている工程ですが、
実は、よく考えられているのですね。
思い返せば、陶芸を始めたばかりの頃、
“へぇ~“って感心したことや、
驚いたことって、結構たくさんあります。
せっかくなので、そういうことも
少しずつご紹介してみようと思います。
今日は、作り方に驚いたことから。。。
器の本体部分の作り方は、
轆轤で挽いたり、手びねりで作ったり、
なんとなくイメージできると思いますが、
底の部分は、いかがでしょう?
実は私、18歳のとき、陶芸教室で、いざ説明を受けるまで
そんなこと考えたこともなかったのですが。。。
轆轤で挽いたままだとこんな感じですよね?
(轆轤で挽いた後、少し乾燥させて、ひっくり返した状態)
これを
こんな風に削り出すのですよね。
削るなんて、当時の私には想定外だったのですが。。。
湿台(シッタ)という台を轆轤に据えて、
こんな風にかぶせて、
カンナ(写真上の方の道具)で削ります。
もちろん、高台をあとからくっつけるという作り方もありますが、
削り出して作ってることのほうが多いと思います。
陶芸体験などで、轆轤体験をしたら、
たいていの場合、高台は教室の人が削って
仕上げて送ってくれるみたいですね。
でも、高台って、
器の印象を大きく変えてしまうと思いませんか?
以前に個展で質問を受けたことがあります。
「湯のみと汲み出しって何が違うの?」
これは湯のみで、 
これは汲み出し。
違いは形ですね。
口径と高さを比べて、
縦長が湯のみで、横長が汲み出しと分類されているようです。
本来、湯のみや汲み出しは、お茶を飲むものですが、
使い方はアイデア次第。
蕎麦猪口なんて、今や一人何役もこなしていますものね。
お茶にも、珈琲にも、ウイスキーにも、・・・、
はたまたサラダを入れたりしているのも見かけます。
抹茶碗でカフェオレなんてお店もありますし、
私が子供のころには、考えられなかったような使い方を
お洒落にこなしている方も大勢いらっしゃいますね。
私の周りには、このサイズの汲み出しで、
普通に日本酒や焼酎を召し上がる酒豪の方々がおられますが、
結晶釉の器に透明の液体を入れると、とってもきれいなので、
日本酒や焼酎には、向いているかもしれませんね。
酒豪ではない方用に、お猪口も作らねば。。。(^^)